ここでは、定期便をご利用いただいているお客様のもとを訪ね、そこにある暮らしや、花を飾る思い、それぞれがもつ植物の記憶や原風景をたどりながら、お話を伺います。
Here, customers who receive the subscription are visited, and conversations unfold around their daily lives, their thoughts on living with flowers, and the memories and early landscapes they associate with plants.
2026.03.1
Shoko and Wataru
今回訪ねたのは、祥子さん、航さんご夫婦のご自宅です。暮らしの楽しみや、植物の思い出、いま夢中になっていることなど、お話を伺いました。
小さい頃の植物との記憶や、自然に触れていた原風景があれば教えてください。
小さい頃の植物の記憶で思い浮かぶのは、小学校の低学年の頃、母の日に弟と一緒に自転車で走り回って、ようやく見つけたお店でカーネーションを一本だけ買った日のことです。高知の田舎で花屋の場所も分からず、あてもなく探し続けた時間ごと、今でもよく覚えています。(祥子さん)
大学で水産学部にいたときに受けていた海藻学の授業が印象に残っています。がごめ昆布やスジメ、わかめ、ひじきなど、いろいろな海藻をひたすらスケッチしていて、あの時間も自分にとっての植物との関わりのひとつだったなと思います。(航さん)
日々の暮らしやお仕事で、定期的にやっていることやルーティーンはありますか。
日常の一部ですが、料理を一緒にすることが多いです。昼はパパッと作って食べてコーヒーを飲むまでがワンセット。お酒が好きなので、夜はこれを飲もうかと決めてから、それに合う食事を作ります。土日は遅めの朝ごはんを少し豪華に作るのも週末の楽しみのひとつですね。
味噌やキムチを作るのも、もう10年近いルーティーンのひつとかもしれません。発酵食品はこれまでも納豆や豆腐を作ったりと、好きでよく食べるので定期的に作ってはストックしています。
お部屋に花を飾るとき、大切にしていることや、意識していることはありますか?
なるべく花の雰囲気に合う花瓶を使うようにしています。いずれ枯れてしまうものですが、少しでも長持ちするように陽当たり加減も気にします。気に入ったものは吊るしてドライにしたり、一輪挿しで置いたりします。
お二人がこのお家や暮らしで気に入っているところを教えてください。
まだ完全体ではないところです。
屋内はフルリノベーションされていますが、外はほぼ手つかずの状態です。大家さんに「〇〇が欲しい(したい)んですが…」と聞けば「おもしろいですね!どんどんやっちゃってください」という心の広い方でして、賃貸なので許可はとりつつ、居心地がいい空間を自分たちで少しずつ構築しています。
また、横須賀・三浦半島の暮らしをとても気に入っています。桜山植物園さんもそうですが、出会う人たちが本当に素敵で、みなさん愛情深いんですよね。これまでの経験や年齢はバラバラでも、何かを楽しいと思うことにそれは関係ないよなと感じています。引越してまだ1年と少しですがコミュニティがどんどん広がっていて、これからの生活もとても楽しみです。
インテリアや暮らしの道具で、長く使っているものや、特別な思い入れのあるものはありますか?
古いものが好きなので、家具や食器、ラグなどは古道具店や蚤の市で集めたものが多いです。それぞれにエピソードがあって、販売してる方からその話を聞くのも好きですし、これから持つことにより愛着が沸きます。ピッタリはまらない棚などは近くの古材を扱うお店から木を買って自分たちで作ったりしています。和も洋も好きなので、うまく調和するように気をつけていますが… 必然的に物も多くなるので、ごちゃごちゃしているかも。訪れた人が、ひとつは何か刺さるもの、興味が出るものがあるかもしれません。
いま夢中になっていることや、やってみたいことなどを教えてください。
ニワトリを2羽飼っていて、お世話することが楽しいです。先ほどのコミュニティ話にもつながりますが、餌は豆腐屋さんのおからや精米所の米糠を無料でいただいてます。雑草や我々の食べ残しなども食べてくれて、私たちは毎日新鮮な卵をいただく。ありがたい循環です。
やってみたいこととしては、先日エコプリントや藍染体験に行きまして、せっかく家の周りが草木に囲まれているので何か自分でできないかなと考え中です。離れのスペースもうまく活用したいなと画策中です。
好きなお花、または、思い出のお花などあれば教えてください。
秋桜は畑一面に広がる風景を家族と見に行った一番古い記憶として残っていて印象的ですし、好きな花のひとつです。
もう一つは菜の花です。以前住んでいたスコットランドは春になると、辺り一面が菜の花一色になります。海の青と緑と黄色い菜の花のコントラストがとても綺麗で忘れられない景色です。イギリスは庭先に多種多様な花を植えている家が多く、庭から摘んだ花を束ねて贈り物としてよくいただきました。そういうのへの憧れもありますね。
実際に定期便を続けてみて、印象に残っていることや、暮らしの中で変化したと感じることはありますか?
母が大小問わず常に花を飾っている人で、兄弟が多くて家がカオスな状態なときでも、花があると心が落ち着いていました。大人になって、特別な日でなくても花屋さんの前を通って気になったら買うことはありますが、仕事で忙しかったり余裕がないとそれもご無沙汰になります。定期便はそんなの気にせず、ピンポーンと鳴れば笑顔のさゆりさんと素敵な花が現れます。それだけで癒しですが、それが毎月あるので、待ってる間も楽しいんです。今の季節は畑にこういう花が咲いてるのかと想像してワクワクするし、前月から枯れずに残っている花とコラボさせてみるのも面白かったり、定期便ならではの楽しみ方が人それぞれにあるんだろうなと想像します。
Ranunculus,
Sweet pea,
Rose geranium,
Acacia,
Gladiolus.
Text / Photography / Illustration by Sayuri Suda
毎月定期的に季節の植物をお届けしてます
フラワーロスを減らすための取り組みとして、定期便という形で、月1回または2回、ご自宅や店舗様へお花をお届けしています。春から秋にかけては、三浦半島の温かな気候と海風に育まれた花々を、季節の束に織り込んで届けています。